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【写真レシピ】雨の紫陽花を幻想的に撮る7つのステップ

どうもケイゴです!

今回は宮崎県山之口市のあじさい公園にいってきました。



今回の撮影レシピでは以下のような『幻想的な紫陽花』の撮り方を徹底解説していきます。



これからカメラを始めたいと考えている初心者さんや、紫陽花を綺麗に撮りたいけど「どう撮っていいか分からない...」と感じている人。もっとハイレベルな撮影スキルを身に付けたいカメラ中級者の方に向けた内容になっています。



具体的には

  • 雨の日のカメラ機材のカバー方法

  • 雨の日“だからこそ”の写真表現術

  • 三脚の正しい活用シーン

  • 3つのレンズフィルター活用術 

  • 人と違う写真を撮るためのマインドセット


こういったことを学ぶことができます。



✅紫陽花を幻想的に撮る7ステップ


①:あじさいの観察 ②:主題を決める ③:「どう見せたいか?」を決める ④:自分の目→カメラでフレーミング ⑤:三脚に据えて撮影 ⑥:設定を追い込む ⑦:フィルターワーク



動画で学びたい人はこちらをご覧ください。



【今回の撮影情報】
撮影日:2023年6月2日
撮影地:宮崎県山之口町あじさい公園
使用カメラ:SONY α7Rⅴ
使用レンズ:Loxia 50mm F2.0

 


STEP①

あじさいの観察


まずは、カメラを構えずに自分の足で公園を歩き『被写体を観察』していきます。


よく紫陽花が集まっているポイント

場所による咲き加減の違い

あじさいの色の違い

光が綺麗に当たるポイント

撮影地の人通り...


こういった情報を自分の足で集めていきます。



初心者さんあるあるなのですが、綺麗な風景を見つけた瞬間にすぐにカメラを構えがちです。逆にある程度カメラ歴が長い人にあるあるなのは「撮影地についてすぐに三脚を構えちゃうこと」これ当てはまる人けっこう多いはず。


しかし、三脚をすぐに構えた瞬間、あなたはその場から動かなくなります。

そしてそれは他の多くの人も同じような行動をしてしまうため、どこかで見たことのあるような『そっくりな構図』の写真が量産されることになります。



大切なのはあなたの『感動ポイント』を発見すること。紫陽花はそのままでも十分綺麗なので、そのまま撮っても綺麗です。そこに『あなたの視点』を加えることで写真の魅力は何倍にも膨れ上がります。



『被写体の観察』は、あなたの視点を探すために最も大事なステップです。

 

STEP❷

主題を決める

次に写真の主題(主役)を決めていきます。


ここは欲張らないのがコツです。

あれもこれもと、主役を増やせば増やすほど「あれ?これなんの写真だっけ?」というカオスな写真が完成します。もちろん見る人の印象にも残りづらくなります。


原則、主題は1つにしましょう。



ただここで注意して欲しいのは、主題は“モノ”じゃなくても良いということ。「モノ以外に何があるの?」と思うかもしれませんが、『紫陽花の色』や『紫陽花の形』のような名詞に捉われない主題選定ができるかどうかが鍵になります。



例えば、『紫陽花の色』を主題とした場合、紫陽花の色が出やすい光を選んだり、光の向きを変えたり、撮影する時間を変えるなどの複数のアプローチが考えれらます。撮るモノに縛られずに、あなたが紫陽花をみて感動したポイントを見つけるようにしましょう。



今回の主題は「ふわっと花をつけた青い紫陽花」に決めました。

 

STEP❸

主題を「どう見せたいか?」を決める

主題を決めたら次はその主題を「どう見せたいか?」と決めていきましょう。


主題をただ撮るだけでは作品として成立しにくいです。印象的な写真を撮るためには次の公式を考えていく必要があります。



①主題+②表現

=その主題を、どう見せるか?



つまり表現の部分になります。これはある意味、写真表現のゴール設定です。


今回私は、雨に濡れた紫陽花を見ていて、そのしっとりした色や葉や花の質感。雨ということもあり人気もなく静かな雰囲気を感じとりました。そこから先ほどの印象的な写真の公式に当てはめて『①青い紫陽花を+②幻想的に見せる』というゴール設定をしました。


 

STEP❹

自分の目→カメラでフレーミング

続いてはフレーミングです。


フレーミングとは、カメラに映る長方形で風景の一部を切り取る作業です。ここは写真の完成度に大きく影響するとても大事な作業です。


手順は簡単

①自分の目でフレーミング

②カメラでフレーミング


必ずこの順番でやるようにしてください。


「ファインダーを覗いてフレーミングする方がいい構図がつくれない?」と思うかもしれませんが、まず自分の目で見ないと良い視点を逃す可能性が高いです。


なぜなら、カメラでフレーミングをしようとすると『いま付けているレンズ、設定してる焦点距離』に依存してしまうからです。他の焦点距離を選んだほうが良い可能性があるのに、その可能性を見逃してしまう恐れがあります。


また、自分の目でフレーミング(切り抜く)する練習をしておくと、使うべきレンズをすぐに選択できるようになるし、カメラを持っていないときでもフレーミングの練習をすることができて、フレーミングや構図づくりがうまくなります。


なので必ず

『自分の目→カメラ』の順番でフレーミングしていきましょう。



自分の目でフレーミングした後に、その画角に合わせたレンズをチョイスしましょう。今回は雨の撮影でレンズ交換が難しかったので、最初から50mmの焦点距離だったのでこの工程はありませんでした。


最終的にファインダーを覗いてフレーミングできたら次のステップです。

 

STEP❺

三脚にセット

フレーミングと構図がある程度できたら、カメラを三脚にセットします。


ここでやっと三脚の登場です!



三脚を使う理由は主に3つ

①手ブレする可能性がある時

②じっくり構図づくりをしたい時

③スローシャッターを使いたい時

この3つです。



今回は①と②に当てはまるので三脚を使用していきます。特に座りの態勢で構図づくりがしんどかったので三脚があると『カメラを持つこと』に集中しなくて良くなるので、構図やカメラの設定により頭を使えるようになります。

 

STEP❻

カメラ設定を追い込む

さぁもう後半のステップです。


ここでやっとカメラの設定を追い込んでいきます。こうやってみるとあなたが普段やっている手順がかなり後半の方に詰め込まれていることを実感するのではないでしょうか?


写真がうまい人は、完成イメージを頭に描ける人とも言えます。だからカメラの設定や三脚に据える前にじっくりと観察して仕上がりをイメージしていくことが重要なんですね。


今回の写真のゴール設定は『青い紫陽花を+幻想的に撮る』でしたよね。



“幻想的に撮る”という表現の部分を言語化しているので、表現方法の選び方が非常に楽ちんになります。



例えば、色の設定についても楽ちんです。


幻想的な色味にしたい

→暖色よりも寒色

→ホワイトバランス(WB)をブルー寄りに設定する


といったように、言語化できていればあなたが実現したい表現に合わせたカメラ設定のアプローチが容易にできるようになるんですね。



今回の最終的な設定はこちらです。

焦点距離:50mm

F値:F2.0

シャッタースピード:1/125秒

ISO感度:ISO100

WB:5100K

 

STEP❼

フィルターワーク

最後に、レンズフィルターを使ってさらに表現に磨きをかけていきます。


今回使用したフィルターは3つ

①PLフィルター

②ハーフNDフィルター

③ソフトフィルター


まず①PLフィルターによって、葉っぱの表面の反射を抑えることで葉っぱ本来の色を引き出していきます。こちらがビフォーアフターです。

右側の写真を見ると、葉っぱの緑色がよりしっかりと出ていることが分かると思います。これによって紫陽花の青色がさらに強調されて主題が目立っていることがわかります。


ここの発想もすべて「①青色の紫陽花を+幻想的に撮る」というゴール設定が効いてきます。写真表現のすべての発想は『主役を輝かせる』ことなので、今回の主題が輝かせるためにPLフィルターを使っています。



次にハーフNDフィルターです。これによって左側の明るい部分を暗くして、さらに主題を輝かせていきます。



最後に使ったのはソフトフィルターです。これも「①青色の紫陽花を+幻想的に撮る」というゴール設定へのアプローチです。


『幻想的に見せる』ために、被写体の光を拡散させたり靄がからせることで、さらに幻想的になっていきます。そのためにソフトフィルターを使うことにしました。

右の写真のほうが紫陽花の質感が柔らかくなり、光が当たっている部分がボヤッと写り、まさに幻想的な雰囲気になっていることが分かると思います。



最後に、動画の中ではその場にあったポリ袋をレフ板代わりに使って、紫陽花の下部を照らすことで、紫陽花そのものが発光しているかのように演出しました。これでさらに幻想的に仕上げることに成功しました。

 

完成した写真がこちら



他にも何枚かオフショットを撮影しました。



こちらは前ボケをふんだんに使用した1枚。



こちらは大胆に紫陽花を副題にして、主題を『水滴』にして撮影した1枚です。



主題は同じ『青い紫陽花』ですが、『①青い紫陽花を+②寂しくも強さを感じるように表現』した1枚がこちら。



 

まとめ


今回の撮影レシピのまとめです。



✅紫陽花を幻想的に撮る7ステップ


①:あじさいの観察 ②:主題を決める ③:「どう見せたいか?」を決める ④:自分の目→カメラでフレーミング ⑤:三脚に据えて撮影 ⑥:設定を追い込む ⑦:フィルターワーク



紫陽花の撮影だけじゃなく、どんな被写体や撮影シーンにも使えるステップになるので、ぜひ今後の撮影から意識してみてくださいね。



最後まで読んでいただきありがとうございました!

では、さらに楽しい写真ライフを。


『写真は、自由だ』



 


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